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理事長所信

Belief Expressd
第71代理事長 黒瀬 裕之
公益社団法人 高知青年会議所
【第71代理事長】

黒瀬 裕之

Hiroyuki Kurose

壮士凌雲
~高い志を持ち、みんなが誇れる高知へ~

はじめに

私は高知県室戸市で生まれました。両親の仕事の関係で3~4年に一度転勤があり、高知県内を転々とすることが多くありました。高校を卒業してからは都会への憧れもあり、25歳まで東京で過ごし、高知へ戻ってきました。就職をし、働くなかで独立したい、社⾧になりたいという目標を持ちました。それはとても安直な考えで持った目標でした。社⾧になるためにはどうしたらいいのか、経営者に聞けば一番早いのではないかと考え、経営者の集まる青年会議所を知り、2016年7月にその門を叩いたことが青年会議所に関わるきっかけでした。当初は単に社⾧になりたいというだけの目標しか持っていませんでしたが、活動に携われば携わるほど、その価値観は大きく変わりました。地域のために本気で活動している先輩方や仲間たちが多くいることを知りました。そういった人たちは私が知らないだけで、全国・世界中にいることを知りました。これまでも戦後や阪神淡路大震災、東日本大震災などの国難を乗り越えてきた背景には若きリーダーの存在がありました。そして今、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の大変革を生き抜くために、一人ひとりが若きリーダーであるという自覚を持ち、青年会議所の仲間一人ひとりをつなぎ、行政や多様な組織をつなぎ、みんなの力をひとつに合わせてさまざまな活動に精一杯取り組むことで、高知に「明るい豊かな社会」を築いていきたいと考えます。

壮士凌雲~高い志を持ち、みんなが誇れる高知へ~

今年度のスローガンは、「壮士凌雲~高い志を持ち、みんなが誇れる高知へ~」です。このスローガンには、コロナ禍のなかで不安におびえ立ちすくむことなく、大きな志を持って積極的に、仲間と力を合わせて乗り越えて行こうという願いが込められています。1953年、高知の発展を目指す青年たちにより設立された高知青年会議所。昭和、平成、令和と半世紀を超える時の流れのなかで、かつての「青年会議所しかない時代」から、今では「青年会議所もある時代」になったといわれていますが、若さと勢いある行動力は他の団体には真似できないものです。「JC宣言」および「綱領」を礎に、三信条の「奉仕、修練、友情」のもと、仲間と切磋琢磨しながら困難を乗り越え、人間的な成⾧と地域社会の発展を実現し、みんなが誇れる高知にしましょう。

未来に繋げる会員拡大の実施

近年、私たちが掲げる最重要課題として会員拡大があります。会員拡大はどの青年会議所でも発足して依頼、唯一途絶えることなく継続されている事業です。会員がいなければLOMは消滅してしまいますし、消滅してしまっては事業を行うこともできません。青年会議所の使命はJCIミッションに書かれているとおり「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために能動的な活動ができる機会を提供すること」です。会員拡大は青年会議所の事業の1丁目1番地であるとよく言われますが、会員拡大はJCを語り、はじめはJCのことを全く知らなかった者や、場合によってはJCに対してネガティブなイメージさ えもっている者の心を揺さぶり、我々の同志になってもらう活動に他ならないからです。JCを知らない者にその魅力を伝え、その結果、入会の動機は何であれ、この組織に関わってみようという形で入会候補者の意識を変革させるわけです。そしてその活動自体は最大の意識変革の機会となります。そして、新たなキーワードとなる「ビジネス」にも取り組んで参ります。これまでJC活動におけるビジネスという言葉は決して口にしてはいけない言葉でした。しかし、2019年に日本青年会議所より解禁されたこの言葉は、会員や入会候補者に対し、ビジネスの機会が提供できるようにする必要があるという我々自身の変化の現れだと捉えています。まずは青年会議所においての「ビジネス」の定義を確立するとともに、我々自身も青年会議所のこと、拡大の意義と重要性を認識し、100人体制を目指すために、委員会の垣根を越えてメンバー全員で会員拡大に取り組む必要があります。

地域を担える人財育成

近年、青年会議所の在籍期間の短縮化などの影響により、青年会議所のことを横断的に知っているメンバーが少なくなっています。積極的に向き合っているメンバーも勿論沢山いますが、入会して歴が浅すぎるあまり青年会議所への価値を見出すことが出来ていなかったりすることで、何となくやっていたり、やらされている感を持ちながら活動しているメンバーも少なからずいると思います。しかし、仕事のためや自分を成⾧させるため等、青年会議所以外のフィールドにおいても自分自身にとってプラスになるということがちゃんとわかれば前向きに取り組まない理由はなくなると思います。私自身も最初はインターネットで検索をして初めて青年会議所の存在を知りました。入会当初は青年会議所に何の価値があるのかもわかりませんでした。しかし、例えば人との付き合い方とか、話し方、仕事の仕方や物事の考え方等々、JCで経験して学ばせて貰ってきたことは自分の生活において本当に幅広く役立っていますし、私自身の人生をプラスにしてくれたと断言できます。ある先輩に言われた言葉が今でも忘れられません。その先輩は「JC活動をして仕事でも何でも貰うものがある。今は先輩から貰うだけでいい。でもお前が成⾧して、それを後輩たちに返してあげることができたら地域が良くなるよね。俺も先輩からそうやって教えられてきた。」と言いました。

JCは沢山の経験を得ることが出来る「機会」という扉を提供してくれますが、その機会をわれわれが提供できるような人財になり、そして今後地域を担っていける人財を育成すべく当事者意識を持って活動する必要があります。

高知ブロック大会の主管と70周年に向けて

私は昨年、公益社団法人日本青年会議所 四国地区 高知ブロック協議会の第50代会⾧職を預かりました。その中で、2022年度高知ブロック協議会高知大会の開催地に立候補し、主管が決まりました。ブロック大会はブロック協議会における最大の運動発信できる場の一つです。ブロック大会では「主管益」「地域益」「参加者益」以上の3つの益を求められますが根幹にあるのは地域益です。地域から共感の得られない運動は他の2つの益も得られません。ブロック協議会が地域から必要とされ、会員会議所から必要とされる団体となるため、県内の青年会議所メンバーが一同に集い、地域の新たな価値を引き出し、それを発信できる仕組みを創造し、地域の魅力を向上させる運動が必要です。

そしてブロック大会の伝統と開催意義を次代へとつなげるために参加者が地域、県民、支えていただいた諸先輩方への感謝と歴史を感じ取ることができる厳粛な式典を行います。

高知ブロック協議会は全国で最も人数の少ない協議会ですが、全国で最も熱い志を持ったメンバーが多くいる協議会です。その高い志を胸に高知ブロック大会を主管して参ります。

また、高知青年会議所は2023年に70周年という大きな節目を迎えます。その時々で青年会議所は能動的に変化を起こしてきました。昨年、JC宣言文が改訂されたように、われわれもまた、これからの次代へ繋いでゆくためにLOMと向き合う必要があると考えます。昨今の会員減少なども相まって、全国的な課題となっている公益法人格の移行や、高知青年会議所事務局の移転など、地域に根差した活動をより一層してゆくために、今一度自身を振り返り、70周年のスタートを切れるように邁進したいと考えます。

時代に沿った組織運営と広報戦略

新型コロナウイルス感染拡大について、WHOは「100年に一度の衛生上の危機」と声明を出すほど、その影響は深く⾧期的なものになっています。社業に大きな影響を受けている方もおり、「JCどころではありません」と訴える声も少なくありません。しかし、歴史とネットワークを積み上げてきた青年会議所には、この状況を打破する術が整っているのです。私たちは時代の趨勢を見極め、会員が最も価値を感じられる組織へと進化する必要があります。そのために我々自身が組織の本質を理解し、時代に即した組織運営を実行していきます。そして対外に向けても同様です。青年会議所が良い事業を計画し、実行しても、それをより多くの方に対して効果的に発信し伝える事が出来なければ、せっかくの事業も魅力が半減してしまいます。2022年度はより効果的な広報活動について研究し、実践して参ります。

結びに

いま私たちは、これまでの常識が常識でなくなっている時代に身を投じていると思います。さまざまな活動に制限がかかる中、それでもできることをすることが我々 Jaycee の役割だと考えます。「どうやったらできるのか」を常に追求している青年会議所の姿が私は何より好きです。本年は壮士凌雲をスローガンに、全身全霊取り組みたいと思いますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。